さめスパゲッティの部屋
2024-07-21 18:07:00
カテゴリ: 映画
トラペジウム
トラペジウムを見たので。その感想。
以下ネタバレあり。
城洲東高校に通う東ゆうは、アイドルを目指す女子高生。
輝くステージに立つべく、西テクノ工業高等専門学校の大河くるみ、聖南テネリタス女学院の華鳥蘭子、城洲北高校の亀井美嘉、と、東西南北からメンバーを集めてアイドルユニット"東西南北"を作る。
ゆうの計画通りにアイドルへの道を一歩ずつ歩んでいくが……。
といった物語。
これくるみちゃん絶対壊れるだろ、って思っていたら案の定壊れていたたまれない。
それはそれでそういう筋書きであるならば、別に構わない。
現に、"東西南北"が不自然なほどにとんとん拍子にアイドルへの道を歩む。
だが、アイドルに執着があるのはゆうだけで、ゆうだけが空回りして、他のメンバーと温度差を生んでユニットが空中分解する、という筋書きである。
解散からの教訓を生かして次の一歩を踏み出すというのが物語の主題であれば、自然な運びになると思う。
文化祭での写真撮影、およびエピローグの落としどころ的に「あきらめなければ夢は叶う」がテーマだった。
しかし、それにしては、解散後、ゆうがあっさりとオーディションに合格して10年後に夢をかなえているというところが、いままでの"東西南北"話、必要だった?と思ってしまって、もったいなく感じた。
おそらく東ゆうのWikiがあったとしたら1,2行で済まされてもおかしくないくらいの扱いに思えた。
なぜ、そう思ってしまうのかと言えば、まず、東西南北のストーリーが生かされていないところだ。
"東西南北"が空中分解したのはゆうのエゴのせいである。
解散を経て、彼女が学んだことは、周りを見られていなかったことと夢をあきらめきれないことだったと思う。
しかし、ここで「夢をあきらめきれないこと」は、東西南北結成前、活動中、解散後の「自身の連続性」をはらんでいる。
すなわち、自身の意志を再確認したというところで、挫折を乗り越えた以上の変化はない。
また、解散後はゆう単体で活動しているため、周りが見えなかったという教訓を生かしている描写はない。
以上より、東西南北での失敗が生かされている様子が読み取れないのだ。
アイドルの夢を叶えたというオチだが、やり方を変えるというのはキャラクター性も考慮すると、明示されない限りは彼女自身の取っている戦略に変化があったとは読み取れない。
東西南北活動中、SNSの反響も4人の中で最も芳しくなかった彼女が、そのままで夢を叶えるというのは無理があるのではないかというのが所感だ。
よって、「あきらめなければ夢は叶う」ということを語るのであれば、そこの過程にスポットを当てたほうがよかったのではないかと思う。
逆に、東西南北の解散を活かすのであれば、また違った結末が必要になるのではないかと思った。
この作品で注目すべき点は、原作者が乃木坂の方であるということである。
職業アイドルの方が書きたいと思ったアイドル像、アイドルがテーマの物語をこのように表現したいと思ったことは一考以上に値することだと思う。
書き手は筋書きよりも、描きたいアイドル像に焦点を置いていそうだなというのが、個人的な印象。
受け手も筋書きとキャラクターのどちらに重きを置いているかで賛否がわかれていそうな作品だった。
アニメーションめっちゃきれいだった。とくにOPとか。
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投稿をサボりすぎると見たものが溜まっていく……。 予約投稿欲しいな。
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